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12月1日、阪神大震災の定点観測撮影で神戸・芦屋へ。日が短くなって午後3時ごろには陰影が多くなり撮影ができなくなってきました。
近年の名橋、天保山大橋(衛星写真地図)です。安治川の河口に架かり、下を見ると北側にはユニバーサルスタジオジャパン(USJ)、南側には天保山が見えます。
ついでに天保山付近の航空写真を掲載します。写真右上が5号湾岸線・天保山大橋です。湾岸線から中央の天保山ジャンクション(衛星写真地図)を経て右下の16号大阪港線で都心に行けます。中央を通る広い道路は地下鉄も走るみなと通り、上方には日本一低い山・天保山と海遊館などがあります。
4日、東京行きで例によって車窓風景です。よく晴れたので今日は沢山掲載します。
京都駅を出て東山のトンネルに入るまでのわずかな間、左手(北)に東山と比叡山が見えます。先ほどまでの雨で霧が昇っていました。
近江路は快晴、だんだんと雲もきれてきました。米原付近で突然に窓ガラスが濡れました。にわか雨かなと思いましたが、線路際から融雪のために吹き出しているシャワーです。
伊吹山、関ヶ原を抜けると濃尾平野に入ります。その辺りの左手(北)遠くに山が真ん中から削られているのが見えます。大垣市赤坂町の赤坂石灰岩の採石場(衛星写真地図)です。周囲には石灰工場が沢山あり日本の石灰の1/4を生産しているそうです。右側の山には明星輪寺があり、ここはカルスト地形なので貝類の化石が採取でき、化石マニアのメッカと言われ金生山化石館という施設もあるようです。麓の赤坂町を通る街道は中山道の赤坂宿、能楽「熊坂」はここを舞台地としています。牛若丸一行を襲った盗賊の熊坂長範はかえって討たれ、亡霊となって旅の僧に弔いを願う、というものですが史実には無いものです。
名古屋を過ぎて三河安城辺りから左手(北)の遠くに豊田市と瀬戸市の境になる猿投山(衛星写真地図)が見えます。私の故郷のこころの山、子どもの頃から馴染んでいる山です。遠くて見えない時もありますが通過する時には必ず探します。
浜名湖から富士山の白い頂きが少し見えました。多分新幹線車窓で初めて富士山の見えるところでしょう。掛川辺りでは茶畑が広がります。この付近にあった母の実家で子どもの頃に茶摘みの手伝いをしたことがあります。
いつものように楽しみにしている富士川からの富士山。富士山だけに雲がかかっていて残念です。
それでも愛鷹山近くになると山頂だけが見えました。白く輝いています。
三島駅を過ぎたところでシラサギでしょうか、一瞬の出あいでした。あわてて写したので窓の端になってしまい大幅トリミングです。 東京で
東京都写真美術館で終了間近の写真展「セバスチャン・サルガド アフリカ」(12月13日まで)と「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ・ブレッソン 東洋と西洋のまなざし」(2月7日まで)へ。
上野公園へ、銀杏が青空に燃えています。楓も色鮮やかで紅葉狩で賑わっています。
上野東照宮へ立寄り、立ち並ぶ灯籠の向こうに見える本殿が霞んで見えました。眼が疲れたのかな、と近づくと修理中の覆屋の壁に原寸近くの写真がつけてありました。本物の唐門の屋根の上に写真の唐門が乗って二重に見えます。色が少し退色してしまったのでしょうか、それで霞んで見えたのです。修理はあと4年ほどかかるそうです。
桜の葉が落ちて旧寛永寺の五重塔が東照宮から良く見えます。東照宮と共に江戸初期の建立ですから、江戸の大火、上野戦争、関東大震災、東京大空襲の難をくぐってきた東京では希少な文化財です。
国立西洋美術館の「古代ローマ帝国の遺産 栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ」展(12月13日まで)へ。主にナポリ国立考古学博物館とポンペイ考古収蔵庫の発掘品でローマ帝国とポンペイの文化を紹介しています。中でもポンペイの「黄金の腕輪の家」の壁画「庭園の風景」は描かれた三面の壁画を実物で立体的に再現展示し、さらにCGで映像的に細部まで再現体験をさせるもので、ローマ時代に触れたくてポンペイをちょっとだけ歩いてきた私により深い理解を与えました。この後1月から愛知県美術館へ巡回します。
5日、名古屋の愛知県美術館へ。名古屋の中心地の栄にある愛知芸術文化センターの上層にあります。生憎の雨降りですが地下鉄からは濡れずに地下道で行けます。日本で最も立地条件の良い公立美術館でしょう。まともな府立・市立の美術館を未だに持たない大阪は文化・芸術面でも情けない状況にあります。 展覧会は「日本の自画像 写真が描く戦後 1945-1964」(12月13日まで)。フランスの写真研究者マーク・フューステル氏が選定し構成した写真展で、石元泰博、川田喜久治、木村伊兵衛、田沼武能、東松照明、土門拳、長野重一、奈良原一高、濱谷浩、林忠彦、細江英公による戦後の日本を写真で切り取ったとても優れた写真展です。構えなくても身近を撮った写真が時が経つと大切な記録になります。写真は今しか撮れないのですから撮り続けないと。
続いて白川公園にある名古屋市美術館へ。白川公園は戦災で町が焦土となった後、アメリカ村とよばれた在日米軍の住宅になった所ですが返還後に公園となり、89年にデザイン博が開かれ(私も出かけましたが)、名古屋市科学館と名古屋市美術館が開館されています。 展覧会は「絵画と写真の交差 印象派誕生の軌跡」(12月20日まで)で、以前にも図録を頂いたことでここに書きましたが、これもなかなか良い展覧会でした。展示のほとんどは東京富士美術館の所蔵ですが、写真の誕生によって生じた絵画への影響を具体的に見せるもので、私にとっては写真史と各種の写真技術の変遷の実際を一気に見ることができて幸せな思いをしました。先に図録を入手して精読していたせいもあり、展示作品に集中できたこともあるようです。 展覧会の図録はほとんどが会場だけで販売していてその場ではよく読めないのが常ですが、開催前に販売していただけると今回のように前もって勉強できるのでぜひミュージアムショップで先行販売をお願いしたいものです。といっても実際は開催直前に刷り上がりというケースが多いようなので難しいかもしれません。それと展覧会巡りの帰りは数冊の図録が重いことこの上もありません。近ごろは豪華になりすぎている図録はもっと紙を薄くするなどして軽量に、薄くして頂くとか、CD-ROMに収録すれば蔵書の場所もとらず便利になります。著作権の関係もあるでしょうが関係者にぜひお願いしたいことです。 愛知県美術館では画家・杉本健吉氏の作品を「杉本健吉受贈作品目録」として作品1,129点を一枚のCD-ROMに収録して発行しています。かって奈良の入江泰吉先生のお宅でたびたびお目にかかった画伯のいつもにこやかで豪快なお姿を偲びながら次々とパソコンで作品を鑑賞でき、必要あらばプリントも可能です。何事にもおおらかだった画伯の残された偉業の一つでもあります。
6日、日曜日。まだ締切近しの原稿を制作中、外出もままなりません。
7日、朝から強い風で寒いのですが神戸中心部の震災定点観測写真を撮影。震災時とその後、そして現在の状況を同一場所から撮影するためにプリントを見ながら同一構図に決めます。撮影地点は地図にマークしてあるのですが商業地区は店舗が入れ替わっていてなかなか構図が決められなくて苦労する時があります。 午後から兵庫県立美術館へ、「男鹿和雄展」のプレビューです。「となりのトトロ」「おもひでぽろぽろ」「平成狸合戦ぽんぽこ」「もののけ姫」「崖の上のポニョ」などのアニメ背景画や美術監督をされている、あのすばらしい画家の展覧会です。600点を超える原作で氏の挿絵、絵本も出品されています。背景画の風景は斜光や逆光を生かした何とも言えない雰囲気を醸し出していて、写真であれが撮れたら良いのにと思うのですがよく見るとやはり絵画の世界です。しかし学ぶべきところは沢山あります。ぜひお出かけ下さい。2月7日まで開催しています。
美術館を出ると神戸都心のスカイラインがおぼろな夕陽でシルエットになっていました。
8日、とりあえず原稿はできました。明日に発送で一段落です。が、次のプロジェクトが控えています。またしばらく忙しさが続きます。
10日、落羽松もいよいよ枯れ枝になりつつありますが、樹によってかなり差があります。多くは落葉して丸い実もはじけかけているのに、珍しくこの樹は一部に緑が残っていました。葉が羽根のようになっているので落ちるときは本当の羽根のようにふわ〜っと舞います。それで落羽松という名前がついたのでしょう。
11日、低気圧が来て午後から雨、見くびっていたら一陣の強風でベランダの花鉢が倒されていました。がそれは少しの間だけで次第に回復。遠くに見える金剛山頂は雨雲に隠れていましたが、その南の神福山(じんぷくさん)付近(衛星写真地図)はなぜか年に何度しか見えないような良い視界で、大阪から25Kmも離れているとは思えないような見通しです。手前の嶽山(富田林市)も燃えるような紅葉で、超望遠レンズで撮影した写真としてはかなりクリアな写真になりました。
12日、プロジェクトの目処がつきかけたのでちょっと余裕が出て古本屋まで散歩。見るだけ、のつもりがやっぱり5冊も買い込んで重い荷物の帰り道になりました。
13日、日曜日。今夜から明朝にかけてふたご座流星群が極大になります。雲が多く空模様が気になって日没で暗くなった17時30分頃に南の空を見上げていると、突然に眼前を赤黄色の光が西から東へ横切りました。流星のシュッとした流れでなく、ジェット機が目の前を通りすぎるような速さです。およそ3秒から4秒ほどの間見えていましたので火球です。思いがけないことでしばらく消えていった東の空を見つめていて眼を元に戻すと再び火球が走りました。今度は前よりも大きく、遠くで4つ5つの塊になっていたのがはっきり見えました。すばらしい天体ショーでしたがカメラを用意していなかったのが悔やまれます。しかしいつ、どこで起きるのかは分かりませんからカメラがあっても撮れなかったかもしれません。
14日。先日集めてきた落葉をスキャナでスキャンしてちょっと二枚合成してみました。このあたりの素材はスキャンする方がカメラで撮影するよりはるかにシャープに、そして手軽に写真にできます。
上の写真は落葉の約1cmの部分をスキャンし、写真データの等倍で見ていただくものです。レンズではここまでの解像度を出すのは至難の業ですがスキャナならだれでも簡単にできます。いろいろな落葉を組みあわせて楽しめることでしょう。
15日。13日夜のふたご座流星群の撮影では雲が多かったのと、少し狭い範囲を撮影していてあまり良い写真が無かったので、昨夜もカメラを2台セットして撮影しました。まだ流星は多いはずです。一台はふたご座付近、もう一台は生駒山の上空に向けました。夜中に雲が切れて街の空にしては珍しく漆黒の空になり星が良く見えます。後は流星を待つだけです。1時2分、やっと生駒山の上に流星が現われました。写真で見ると3回強く輝いています。オリオン座、ふたご座付近も流星がありましたが今度はレンズが広角すぎて小さく写ってしまいました。なかなか都合良くはいかないものです。
16日。寒気団の南下で北日本から雪のたより、朝にライブカメラで各地を見るとやはり雪景色です。飛騨・白川郷も程良い雪景色、飛騨・高山も城山の上がうっすらと白くなっていました。近くでは金剛山のライブカメラもちはや園地(衛星写真地図)が雪景色、金剛山山頂の葛木神社からの積雪情報は3cm、気温-3度でした。
今年の金剛山初冠雪は11月3日でしたが、その南にある神福山(じんぷくさん)付近(衛星写真地図)は今朝が初冠雪。11日に掲載した写真と同じ範囲にしてうっすらと雪化粧した姿を掲載します。
その西方に延びる和泉葛城山系の和泉葛城山(衛星写真地図)も雪景色、こちらも初冠雪です。山頂には展望台があります。
17日。大阪にも冷たい風が吹いています。重そうな雪雲が西から流れてきて、一刻にわか雨かみぞれかという雨が降りました。日中の気温は7度でしたから雪降りになることはないでしょう。明日はもっと冷えるようです。
19日。朝、飛騨高山のライブカメラを見ると見事な雪景色、白川郷はというとこれはもっと深雪、陰影も出ないほど真っ白に雪に包まれていました。飛騨方面への東海北陸道も積雪で通行止め。各地のスキー場は今日から滑れるようになって喜んでいることでしょう。ベランダの気温は昨年の最低温度の4度を下回る2度になっていました。
20日、日曜日。京都の金剛定期能が今年度最終回です。その開演30分ほど前に京都御苑(御所)の西にある金剛能楽堂の前を全国高校駅伝の選手が通ります。それで京都の地下鉄は全国から来られた応援の方々で賑やかなことでした。地図や無線機を片手に選手の先周りをして待ち受けるためです。烏丸通りを選手の一団はアッという間に駆け抜けて行き、応援の人も次の所へ行くためにさっといなくなって、また静かな街並に戻ります。
21日、所用あって大阪・京橋へ。帰りに寒いけれど京橋駅付近を散歩。京橋を通る京街道の由縁を見つけました。これはまたいずれ掲載します。
22日、今日は冬至ですが今までよりは少し暖かく感じます、日中は暖房もしないで過せました。
23日、祝日。終電車が終わると明朝に向けての配車で無灯の電車がしばらく走ります。それも終わる深夜には保線作業のいろいろな作業車が通ります。写真はレール削正車で切り替えポイント付近を重点的に、ゆっくり走りながらレールの歪みを削り取る作業車です。レールのあちこちから火花が出ているのを見かけ、カメラを用意している間に作業が終了してしまい、作業車が帰るところしか撮影できませんでした。レールから火花を出して走るところはめったに見られないだけに残念なことでした。
上の写真は撮影したままの無補正の写真。現場は視覚的にもこの程度の暗さでした。最新のカメラは高感度撮影に強くなってきましたのでそのテストです。
その中央部分の原寸 (1:1)データです。ISO 6400としてはまずまずノイズが抑えられています。写真が何となくシャキッとしないのは主に「高感度撮影時のノイズ低減」処理の副作用です(撮影が「流し撮り」であることと、開放絞りで撮影しているのも多少は影響があるかもしれません)。普通のISO100でこれを撮影するとシャッタースピードは4秒になりますが、ISO 6400では1/15秒で撮影できます。高感度撮影が実用的に使用できるところまで進歩していることがわかります。なおこの12月26日発売の Canon EOS 1D Mark IV はISO100〜12800 で、拡張時は102400までできるので、まるで暗視カメラ見並みの高感度カメラです。
25日、例によって陸軍測量局が1887(明治20)年に発行した仮製地形図を眺めていて不思議な村を見つけました。村域と思われる範囲を条里に沿って囲んだ水路と植生です。周辺にはこういった所はなく地図上にここだけが目立ちます。地図だけで考えているのですが、環濠集落だと集落の周囲を囲むのが常ですがここはそうではなく広い範囲です。城塞の痕跡にも見えますが可能性はあるもののそうでも無いようです。さっそく調べて見ましたがなかなか判明しません。区画の北西には「穂積遺跡」がありますがさほど関係は無いようです。かってこの付近では水争いが激しかったようでその名残りなのかもしれません。
26日、日本写真芸術学会の学会誌が届きました。今回は<創作編>として学会員の写真作品の発表です。私は「雲崗の小佛」として中国・雲崗石窟でアルカイックスマイルの小佛を探して撮影した浮彫像二点を発表しました。このシリーズはこの先に開催される「JPS関西メンバーズ展」でも一点展示します。また来年の夏には私としては珍しく小品展を奈良市のならまちの画廊で開催する予定で少しずつ準備を進めています。これは具体的になりましたらご案内をいたします。
27日、日曜日。年末の日曜日。何事もなく静かな一日でした。世間は新年を迎える準備などで忙しいことだったのでしょう。
29日、1月に大阪と京都で開催する日本写真家協会(JPS)関西地区の写真展、「関西メンバーズ展〜関西のプロ写真家100人の眼」の写真集図録が今日届きました。26日にも少し書きましたように中国「雲崗の小佛」を出品するのでそれが掲載されています。
31日。冷たく強い風が吹いていて出かけようという気にならないお天気です。ライブカメラで各地を見ると日本海側は真っ白な風景ばかりで、飛騨・白川郷は朝から大雪、高山も雪景色です。写真の金剛山付近にも雪雲が来て時々雪を降らせているようです。 |
11月 | 09年12月 | 1月 |