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近況 2012年6月


 月は東に日は西に


赤い太陽  2012.6.3 18:58  撮影:今駒清則
The Red Sun. Photo : KOMMA Kiyonori

6月3日、日曜日
 蕪村の「菜の花や 月は東に日は西に」のように東西に日月が見えます。ということは満月直前、先日の金環日食が終わって今度は月食です。明日の4日が満月で部分月食になるのでほぼ同時間帯にカメラを向けてリハーサル。ちょっと扁平になっている日没の赤い太陽を撮影してから東に昇っている待宵月にカメラを向けていると、


待宵月に旅客機が  2012.6.4 19:04  撮影:今駒清則
Airliner across the Mon. Photo : KOMMA Kiyonori

 夕陽を浴びて赤く染まった旅客機が月をかすめて飛んできました。明日も晴れると良いのですが。


 

部分月食 2012.6.4 大阪


部分月食 半影食の朧月 大阪市  2012.6.4 21:55  撮影:今駒清則
Partial lunar eclipse, Mon hazy penumbra of food, Osaka city. Photo : KOMMA Kiyonori

6月4日
 大阪では部分月食が月の出の19時00分から見られ、食の最大が20時03分、部分食の終りが21時07分、半影食の終りが22時20分となっていたのですが、台風3号の影響か、気圧の谷のせいか雲が広がってしまい、まったく月の輝きも見えません。なのでシャッターを押すこともなく USTREAM で各地の部分月食中継を見ていました。
 部分食も終り、半影食も終盤になった頃、数分間だけ朧な月が姿を見せてくれました。雲で滲んで半影食はわかりませんが、一応記録のために掲載しておきます。

 


銀河の森天文台 USTREAM 部分月食中継から 2012.6.4 20:03 食の最大時
Partial lunar eclipse, .ustream live video by Ginga-no-mori Observatory 

 見ていたwebでの部分月食中継は銀河の森天文台(りくべつ宇宙地球科学館)eclipse20120604 のUSTREAM でした。どちらも月出帯食から終り近くまで鮮やかな映像で部分月食を中継していました。

 


Yahoo 天気・災害 2012.6.4 20:00 の衛星画像
Satellite image of Yahoo 

 残念な結果になったお天気の様子は同時刻の衛星画像でよくわかります。北日本には雲がかかっていないためその方面からの部分月食中継が成功したわけです。なお衛星画像下部の雲は台風3号です。


 

金星日面経過 2012.6.6 大阪


金星日面経過 大阪市  2012.6.6 10:00  撮影:今駒清則
Venus passing the sun 2012, Osaka city. Photo : KOMMA Kiyonori

6月6日
 金星が太陽面を通過する珍しい現象が早朝からあり、撮影の準備をしていましたが大阪では第1接触の7時09分、第2接触の7時29分は厚い雲で見えず、7時49分になって雲を透かして金星を伴った太陽がやっと見えました。


金星日面経過の第3接触 大阪市  2012.6.6 13:30  撮影:今駒清則
Venus passing the sun 2012, Venus inscribed, Osaka city. Photo : KOMMA Kiyonori

 お天気は良くなってきたのですが、金星が通過する間の7〜8割は太陽に雲がかかってなかなか鮮明になりません。第3接触の13時30分の時も雲がありやはり雲を透かしての撮影でした。
 金環日食、部分月食に続いた今日の金星の太陽面通過、地球が太陽系惑星の一員であることを実感した日々でした。次の金星日面経過は2117年、105年後とか。一生に一度の出会いでした。


 

堀切の花菖蒲

 


歌川広重「名所江戸百景 堀切の花菖蒲」1857(安政4)年 東京国立博物館蔵
"Irises of Horikiri, Hundred Views of Edo"  Hiroshige Utagawa 1857
Tokyo National Museum collections
 

6月10日 日曜日
 葛飾区堀切の菖蒲園の花菖蒲がいま満開です。江戸の人たちは舟で隅田川を渡り、水郷であった掘切あたりの花菖蒲栽培の風景を物見遊山に出かけました。後に菖蒲園ではさらに楽しんでもらうために遊園を設け賑わったと言われています。


葛飾区堀切付近 2012.6.10  撮影:今駒清則
Near Horikiri Katsushika. Photo : KOMMA Kiyonori

 今の堀切は大正時代の荒川(放水路)の開鑿、綾瀬川の整備によって低地(ちなみに標高はマイナス1.1m)ではあるものの水害からは開放されて住宅街が広がり、菖蒲園は一ヶ所を残して無くなりました。写真は荒川の中土手(標高は2.2m)から綾瀬川越しに堀切菖蒲園付近を望んだ風景です。高架道路は首都高速中央環状線・堀切JCT。綾瀬川が天井川になっているのがわかります。周辺地図


堀切菖蒲園の花菖蒲 2012.6.10  撮影:今駒清則 (Nikon S3300で撮影)
Iris garden irises of Horikiri. Photo : KOMMA Kiyonori

 堀切菖蒲園では約200種の品種を揃えていて14,000株の花菖蒲が植えてあるとのことです。


堀切菖蒲園の黄菖蒲 2012.6.10  撮影:今駒清則
Iris garden irises of Horikiri. Photo : KOMMA Kiyonori

 黄菖蒲もありました。花菖蒲が咲いているのは3日間ほど、しかし多数あるので暫くは華やかな花園です。


堀切菖蒲園の花菖蒲 2012.6.10  撮影:今駒清則
Iris garden irises of Horikiri. Photo : KOMMA Kiyonori

 唯一残された菖蒲園は現在葛飾区の公園として無料開放されています。


堀切菖蒲園全景(パノラマ撮影) 2012.6.10  撮影:今駒清則
Panoramic view of the iris garden Horikiri Photo : KOMMA Kiyonori

 日曜日とあって堀切菖蒲園は沢山の人出です。堀切の町も「菖蒲まつり」が開催されていて、町中をこどもの鼓笛隊とか、民謡踊りなどのパレードが練り歩き祭り一色でした。


 

堀切菖蒲七福神と水路跡の遊歩道


堀切の菖蒲七福神  2012.6.10  撮影:今駒清則
Horikiri Shobu-shichifukujin. Photo : KOMMA Kiyonori

6月10日 日曜日
 京成本線堀切菖蒲園駅から「アブアブ赤札堂」の西を南へ、堀切菖蒲園へ向かう遊歩道に大きな石彫りの七福神が並んでいます。堀切天祖神社の境外摂社である菖蒲七福神ですが、弁才天を中心にいずれも見事なメタボの四頭身像です。1994(平成6)年6月建立とのことですが東京の七福神巡りの一つになっているようでお参りの方もおられました。
衛星写真地図)
 この七福神の中心となる弁才天は、かってこの神社の西を流れていた本流の水路を埋め立て(今は道になっています)、神社の東を流れていた支流(今は遊歩道)へ付替えた時の分岐跡が池となっていて、その池を埋め立てた時の1923(大正12)年に毛無池弁天社を祀り、それに縁があるとのことです。

 この遊歩道、微妙に曲っている道筋は一見して元は水路であったことがわかります。掘切辺りはかって湿地帯で、縦横に水路が巡っていたことが明治期の地図でわかります。戦後でもまだ幾つかの水路が地図上から確認できますが、その内の一つがこの水路で、今は暗渠にして遊歩道に整備しています。それはこの菖蒲七福神の近くの遊歩道に「毛無池橋」と記した小さな石碑があり、かってそこには水路があり、橋が架かっていたことを物語っています。この遊歩道をさらに南へたどって行くと菖蒲園の近くではアジサイが植え込まれた美しい遊歩道になります。かってこの水路は堀切菖蒲園の北側から綾瀬川へ流れ込んでいましたが、その付近は現在タイル敷きの三角広場になっています。衛星写真地図

 この遊歩道を戻り、水路跡を遡ってみると堀切菖蒲園駅の下の地下道が水路のままにあり、駅ををくぐって北へ出ると水路跡はそのまま延びていて、すぐの変形四叉路の左、「魚作ビル」の北向いに、かって水路にかかっていた「元宮橋」のコンクリート製の欄干がひっそりとなんの役目もないままに昔の水路の名残を留めていました。衛星写真地図


 

荒川から東京スカイツリー


東京スカイツリー 荒川左岸堀切付近の中土手  2012.6.10  撮影:今駒清則
Tokyo Sky Tree, Horikiri per Arakawa left bank. Photo : KOMMA Kiyonori

6月10日 日曜日
 5月25日にオープンした東京スカイツリー、葛飾区堀切の荒川からは約3km。遮るものが無い広大な風景の中に東京スカイツリーがそびえ立っています。写真は綾瀬川と荒川を区切る中土手の風景。
周辺地図


 

南河内 下赤坂の棚田 田植えのあと


千早赤阪村 下赤坂の棚田 2012.6.14  撮影:今駒清則
Rice Terraces of the Shimo-akasaka, Osaka pref. Photo : KOMMA Kiyonori

6月14日
 近畿地方は6月8日に梅雨入りし、梅雨らしい日が続いていたのですが晴れ間をみて千早赤阪村の下赤坂の棚田
衛星写真地図)へ。田植直後の棚田には田水がしっかり入れてあります。


千早赤阪村 下赤坂の棚田 取り置き苗と水口 2012.6.14  撮影:今駒清則
Water drains and Spare seedlings. Photo : KOMMA Kiyonori

 田の水口近くには補植用の取り置き苗がまだありました。


千早赤阪村 下赤坂の棚田 苗の補植 2012.6.14  撮影:今駒清則
Planting seedlings of spare. Photo : KOMMA Kiyonori

 遠くの田では苗の補植や、畦を塗り直して補修していました。


千早赤阪村 下赤坂の棚田 嶽山の夕照 2012.6.14  撮影:今駒清則(Nikon S3300で撮影)
Sunset of terraced rice fields,Shimo-akasaka. Photo : KOMMA Kiyonori

 夕方には棚田を撮影するアマチュアカメラマンが50人近く農道に並んでいました。この日は期待したような夕焼けではなかったので皆さんガッカリされていたようです。
 この頃に日が沈む山は嶽山
衛星写真地図です。麓には名刹・龍泉寺、山腹はミカン畑、山頂には龍泉寺城跡(嶽山城)と「かんぽの宿富田林」があり、見晴らしの良いとところです(嶽山は「近況」バックナンバーの2010年11月22日の記事を参照下さい)


 

近江路 麦秋


近江路の麦秋(東海道新幹線車窓) 2012.6.16  撮影:今駒清則(Nikon S3300で撮影)
Omi-ji of wheat harvest. Photo : KOMMA Kiyonori

6月16日
 近江の田園を走り抜ける新幹線の車窓に、緑色と黄金色の田が交互に現われる梅雨時の風景です。


 

錯覚


半透明の煙突? 2012.6.17  撮影:今駒清則
Chimney looks semi-transparent. Photo : KOMMA Kiyonori

6月17日 日曜日
 フト見ると見慣れた工場の煙突が半透明に? いやよく見ると遠くの明石海峡と須磨の山、夕方の空の明るさなどが煙突の色とよく似ていて、さらに赤白の模様の位置が偶然にも山の稜線と一致したためにそう見えたようです。


 

季節外れの台風4号


台風4号の雲がかかる大阪の空 2012.6.19 18:20  撮影:今駒清則
Cloud of typhoon Guchol, Osaka city. Photo : KOMMA Kiyonori

6月19日
 季節外れに襲来した台風4号(Guchol) は日本を縦断して20日午前0時現在関東を北上中です。中心気圧は965hPa、最大風速35m/s、暴風域が190-110kmで、進む速度は50km/hから段々と早くなって現在70km/hと韋駄天の台風です。


強い風に揺れる街路樹 2012.6.19 18:05  撮影:今駒清則
Street trees swaying in the wind strong. Photo : KOMMA Kiyonori

 関西直撃の予報で台風の備えをしましたが東にそれて大阪では雨も多くなく、多少強い風が吹いただけで済みました。これから台風がさしかかる東北の被災地に重なる災害が無いことを祈っています。

 (6月20日追記)台風4号(Guchol) は2012年6月19日17時頃に和歌山県南部に上陸、志摩半島を縦断後伊勢湾を通り、同日20時に愛知県東部に再上陸し北上、関東地方を縦断して20日朝に東北沖に抜け温帯低気圧になりました。6月に台風が上陸することは珍しく、梅雨前線とからんで降雨は多かったものの、台風の速度がとても速かったために一ヶ所へ雨が降り続いて大災害を引き起こすようなことは避けられました。


 

報道ヘリ


生駒山を背景に飛ぶ取材ヘリ 2012.6.20  撮影:今駒清則
News helicopter flying in the background Mt.Ikoma. Photo : KOMMA Kiyonori

6月20日
 お昼前に数機のヘリコプターが長い時間旋回していたので、何か事件でもあったのかと思い心配していましたら、大阪市平野区の小学校で調理実習中の児童多数が気分悪くなり病院へ運ばれたとのこと、重症ではなかったのでまずはひと安心です。原因は調査中とのこと。


 

夏至なのに


低い外気温が続いています 2012.6.21  撮影:今駒清則
Followed by a low outdoor temperature. Photo : KOMMA Kiyonori

6月21日
 夏至の今日、思わぬ涼しい日が続いています。日本に向かっていた台風5号が温帯低気圧に変わって梅雨前線とからみ、西日本に大雨を降らせています。今日の外気温も日中で20度前後、過しやすいですが雨とともに気になる気象条件です。


 

ちょっと晴れたのですが


夕焼けの六甲山 2012.6.22  撮影:今駒清則(Nikon S3300で撮影)
Sunset of Mt.Rokko. Photo : KOMMA Kiyonori

6月22日
 降り続いた大雨は、大阪では一部で避難しなければならない地域があったのですが被害は無く、和歌山市付近では河川が氾濫し広範囲に冠水しているようです。それでも今日は晴れ間も見えて夕焼けもちょっぴり。
 この夏至前後
(18日から24日の間)は太陽が最も北寄りから昇り、北寄りに沈みます。なので朝は生駒山山頂のアンテナ塔とからめて日の出を撮影したくて早起きしてますが、ずっと悪天候なので日の出は見られず残念なことです。夕方は六甲山に沈むので夕焼けを、で今日はまずまずの夕焼けでした。


 

樹から手が? 猛獣が吠えてる?


樹から手が? 猛獣が吠えてる? 京都御苑にて 2012.6.24  撮影:今駒清則(Nikon S3300で撮影)
Hand has gone out from the trees? Face of the beast? Photo : KOMMA Kiyonori

6月24日 日曜日
 この樹、根元から手が出ているように見えるし、猛獣の顔にも見える・・・。


 

久しぶりの日の出


生駒山から昇る朝日 2012.6.26 4:58  撮影:今駒清則
Sunrise from Mt.Ikoma. Photo : KOMMA Kiyonori

6月26日
 梅雨の最中に台風が来たりしてここ10日ほどお天気が悪く日の出が見られなかったのですが、今朝は雲がかかっていたものの生駒山から昇る朝日が見られました。


 

クモの捕食


エサがかかった 2012.6.28  撮影:今駒清則
Spider web insect. Photo : KOMMA Kiyonori

6月28日
 ベランダにあるアロエの花茎に巣をかけた小さな小さなクモ、名前は知らないのですが背が白く体長はわずか2 mm ほど、巣の糸は体に相応しく極細でほとんど見えません。虫を捕食してくれるので見守っていたのですが、先日の台風4号でクモの巣は跡形無く吹き飛ばされ、もういないのかと思っていたらまた巣をかけていました。


クモの捕食 2012.6.28  撮影:今駒清則
Spider prey. Photo : KOMMA Kiyonori

 クモより大きいカゲロウが糸にかかり死んでいました。クモはすぐには近寄らず様子を見ているようでしたが、それでもそのうちに鋏角でカゲロウの腹部に噛みつき体液を飲み込んでいます。
 あまりに小さいので撮影をどうしようかと思ったのですが、OLYMPUS OM用の 80mm, F4 の 1:1 マクロレンズをベローズにつけ、マウントアダプターを介して Canon EOS に装着して撮影。かなりの拡大撮影になったのですが、それでもご覧のように見事な描写。倍率色収差(色滲み)もまったく無くとても優れたレンズです。このホームページ上の写真 (72dpi)では実物の約20倍位の大きさになっています。


5月 2012年6月 7月