「お水取り」 火を切り出した堂童子 撮影:今駒清則
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26日からは総別火になります。まず新しい火を堂童子が切り出します。この神聖な火で総別火の間すべてを賄います。この後にいろいろなものに使う糊を練行衆が作ります。祈る役、火吹き竹で火を熾す役、鍋の糊をかき混ぜる役の3人がかりでゆっくりと時間をかけて作りますが、何となくユーモラスでタイムスリップしたような情景です。
「お水取り」 総別火の練行衆 撮影:今駒清則
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総別火になると練行衆は全員が別火坊の大広間に座を移し、紙衣を着し麻の襷袈裟(たすきけさ)をかけます。それぞれの役に従って自席で法会の準備をします。この大広間も手向山八幡宮の神職がお祓いをし注連縄で結界がしてあります。俗も魔物も入れない聖域なのですが、練行衆は守り本尊に祈りお祓いをします。神仏習合がまったく自然に行われているのです。
練行衆はこの大広間で総別火中を過ごします。私語も許されず、席を外れる場合はテシマという薦を持参して常にその上に座らねばなりません。外出などもっての外で、軟禁状態で過ごします。(なお、別火坊内部は一般の方の参観はできません)
修二会を詳細に記録した今駒清則写真集『南無観』についてはここをご覧下さい。
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