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東大寺二月堂 修二会 行法

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2月28日修二会  今駒清則


「お水取り」 出立前の大懺悔  撮影:今駒清則

 28日は別火の最終日です。紋日と言うのは色街の特別な日の事で、紋付を着たりするので紋日と言っていたようですが、ここでは今まで別火で書き上げた各自の紋を、それぞれの持ち物に取り付けて二月堂下の参籠宿所へ送り出すので紋日と言うそうですが、窮屈な精進生活を過ごしているので色街言葉を使って洒落たのかもしれません。

 して、今日はあわただしい一日になります。別火坊では朝から童子、仲間は荷運びなどで忙しいのですが、練行衆はさほどでもありません。お昼の「お料理(食事)」後、堂童子が準備のため先立って二月堂へ出立します。その後「香薫(こうくん)」と言って練行衆が全ての道具を香をくべた火鉢にかざし清めて送り出します。大広間があわただしくなりますが、終わると着座しテシマの儀式を行い、今まで席の間仕切りにされていた大きな葛籠(つづら)がどんどん運び出されていきます。
 すべてが運び出されると、上堂用の装束になり大懺悔
(おおいさんげ)を唱えます。「追出し茶」をいただいた後、上役から大広間を後にして二月堂に向かいます。ガラーンとなった大広間では懸けられていた結界がすぐさま取り外されて別火は満行です。(なお、別火坊内部は一般の方の参観はできません)

「お水取り」 大中臣祓  撮影:今駒清則

 参籠宿所ではすでに古練の手で諸道具が決まった位置に整えられて練行衆を出迎えます。練行衆はそれぞれ定まった四ヶ所の宿所に落着くと古練が挨拶に廻ります。

 夕刻には食堂の西と細殿で参籠する練行衆へのお祓いを呪師(しゅし)の役がします。呪師は練行の道場に魔物が入らないように祈る役ですが、ここでは仏法を守護する全ての神仏を勧請し、ご幣を振ってお祓いをします。薄暗がりの中で役人の小綱(しょうこ)が持つ祓松明に照らされた呪師の影が神秘的に揺れ動きます。ここでも神仏を習合したかたちが見られるのですが、この「大中臣祓(おおなかとみのはらえ)」が終わると、すぐさまに食堂(じきどう)や宿所の廻りに結界を巡らしてしまいます。練行衆はこの後しばし休息しますが、真夜中からいよいよ修二会の本行が始まります。(なお、参籠宿所は一般の方の参観はできません)


修二会を詳細に記録した今駒清則写真集『南無観』についてはここをご覧下さい。


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