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東大寺二月堂 修二会 行法 |
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2月 | 20日 | 21日 | 22日 | 23日 | 24日 | 25日 | 26日 | 27日 | 28日 | |||||
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3月 | 1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | 12日 | 13日 | 14日 | 15日 | |
3月13日は六時の法要に加えて「走り」「だったん」の法要が勤められます。「だったん」は「達陀」と書き、その行のいわれにはさまざまの説がありますが、私は追儺(ついな、鬼追い)の一種ではないかと思っています。ただ他にはない独特の行法です。 内陣で後夜の大導師法要が始まると、隣の席の和上が火天が使う火を火吹き竹を使って熾します。最高位の和上が一所懸命に火吹き竹を吹いているのはユーモラスでもあります。
戸帳が上げられた内陣正面へ出てきた火天は、燃え盛るだったん松明を抱えて跳びながら礼堂に突き出します。それに合せて水天も飛び跳ねながら洒水器で加持し、また鈴と錫杖が賑やかに鳴らされます。数回の加持のあと内陣に入り、内陣を一周りして再び正面に出て松明を突き出します。松明の炎は高くまで上がって内陣の天井を焦さんばかり、煙りも内陣や礼堂を覆っています。礼堂では役人が箒で飛び散った火の粉をジク(土間)に掃き落とします。 松明の火が衰えかけると正面で松明を立てた後、礼堂に向けて傾け投げ出します。まだ燃えている松明は時には礼堂で聴聞している娑婆古練の膝元まで飛んで行くこともあります。火天は松明を引取り再び立てて3回床を突いて内陣に入れ、戸帳が堂童子によって降ろされると「だったん」の法要は終わります。僅かの時間の大スペクタクルに息を呑んで見守っていた聴聞者のため息も聞こえてくる静けさが訪れると後夜の呪師作法が始まります。すぐに短い晨朝法要があり、一日の練行が終わります。 (注:ハゼ=糯米を炒ってハゼたもの)
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