「お水取り」 礼堂で勤める涅槃講 撮影:今駒清則
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3月15日は満行を迎えて「宿所払い」の日です。いよいよ自坊に帰れるのですが、まだそれまでに幾つかの勤めがあります。
朝のうちに参篭宿所の荷物などは童子に託して持ち帰らせ、最後の入浴をした後、宿所の北側で、宿所東側の練行衆と西側の練行衆がそろって出会い、にこやかに挨拶を交わします。
これ以降は制限されていた宿所の出入りが自由となり、揃って楽しく昼食をいただきます。食後に上堂。礼堂で「涅槃講」を勤めます。お釈迦さまの大きな涅槃図に向い読経し、行道して下堂となります。
「お水取り」 開山堂へ参拝 撮影:今駒清則
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向かう先は二月堂の下にある開山堂です。東大寺を開いた良弁僧正がおられるお堂で、練行衆も童子も揃って満行の報告と感謝をします。
のりこぼしと二月堂 撮影:今駒清則
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開山堂の庭には奈良の名花、「のりこぼし」の椿が時節良く咲いています。開山堂の前でそれぞれに挨拶を交わして別れ、練行衆はいよいよ自坊に帰ります。
その後練行衆は適時に修二会中に身の回りの世話をしてもらった童子らに感謝の宴をし、また娑婆の古練たちにお札を持参し満行の報告とお礼をします。また寺では練行衆、役人一同に参籠の慰労会を催すなど大行事の満行を寿ぐのです。(終わり)
修二会を詳細に記録した今駒清則写真集『南無観』についてはここをご覧下さい。
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