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近況 2008年12月


木金月

木星・金星・月 2008.12.1 19:11  撮影:今駒清則

12月1日、絶好のお天気なので秋風景の撮影に出かけたいのですがなかなかままなりません。最近南西の空に木星と金星が並んで輝いているのが見えていましたが、今夕はそこへ月が加わりました。高い星が木星、低い星が金星です。月がもう少し接近していると大きく撮影できるのですが、明日はどうなるでしょうか、また撮影してみます。


月木金

月・木星・金星 2008.12.2 19:16  撮影:今駒清則

2日、今日も好天なので都合をつけて撮影に出かけました。「大和の農村歩き」でしたが、すばらしい民家を見ていると話しかけられて、2時間ほど話し込んでしまいました。後ほど何か掲載します。

 今夕の空は月の方が高く木星、金星と離れていて、広い範囲を撮影したため月がちょっと小さくなりました。昨夕は地平近くの月だったので黄色くなっていましたが、今夕は少し高い位置なのでさほど黄色味はありません。


空の写真が続きます

朝の虹 2008.12.5 7:16  撮影:今駒清則

5日、温かい日が続いた昨日までとうって変わって、今日からは寒冷前線の南下で寒くなり荒れるという予報でした。夜明けの東の空は少し晴れていますが西は黒雲です。この頃は遅い日の出ですから7時頃に太陽が顔を見せると、横からの光で黒雲に大きな虹が一瞬現われました。西の黒雲で雨が降っている証です。それに雷さんも来ているようで時々光っています。もうしばらくすると黒雲はここへ来て雨が降りだすことでしょう。今日は豊田市へ朝から出かける予定ですので雨降りのドライブになりそうです。

 やはり出るときには土砂降りと強風、西名阪、名阪道路では紅葉した木の葉が強風で吹きちぎられ、つむじ風で道路上に渦巻いています。東名阪、伊勢湾岸と進むと荒天を置いてきぼりにしたのか、さほどのことはありませんが、ラジオの予報では三重県、愛知県に竜巻、落雷の注意報が出ているようで、愛知ではこれから荒れてくるのでしょう。

猿投山夕照 2008.12.5  撮影:今駒清則

 到着後の午後、所用をすませている間はさほどの事はなく、夕刻にちょっと寒くなってきました。空はダイナミックな雲が往来し、故郷の山、猿投山に雲がかかっています。いつも大阪ではこの猿投山によく似た生駒山を撮影していますが、今日は懐かしい山の夕焼けです。

 この21日は冬至で昼間が最も短くなるのですが、日の入りは今日あたりが最も早く、大阪では16時47分です。なお日の出の時間が最も遅いのは少し先の1月7日前後で7時6分になります。


6日、午後から豊田市能楽堂で開館十周年記念の特別公演を撮影。狂言「文蔵」野村万蔵、萬と、「船弁慶・真之伝」友枝昭世、ワキ宝生閑です。当代最高の至芸を見せる友枝昭世氏の父上は私が最も好んだ友枝喜久夫氏。父子で芸風は違いますがいつもの完成度が高い舞台でした。なお最近人間国宝の指定を受けられています。当日の能楽堂ロビー・陳列室には私の作品、「善知鳥」観世寿夫(70年万博・鉄鋼館ホール公演)と、「景清」友枝喜久夫(友枝喜久夫・能舞い納めの友枝会)の3点が展示されました。

 終了後豊田市の写真家・都築昇さんと懇談、情報交換です。夜になって出発、途中の大和高原では0度前後の気温、高峰SAで止まって眼下に見える大和盆地の夜景を眺めるも気温は−2度で少し凍えました。Ω(オメガ)カーブをゆっくり下って西名阪から帰阪。すっかり寒くなりました。


ツエッペリンNT号

月と飛行船 2008.12.7  撮影:今駒清則

7日、日曜日。少し冷たい風が吹いていますが、良いお天気でさほどは寒くはありません。昨夜の最低気温は2度。このところの最低を記録しました。

 午後、飛行船「ツエッペリンNT号」日本飛行船がしきりに上空を通ります。岸和田をベースにした大阪市内遊覧の最終日で連続のフライトをしています。明日から豊川、桶川、その後首都圏遊覧と東へ移動するようです。

宵月 2008.12.7  撮影:今駒清則

飛行船の上に昼間の月が輝いていました。今日は宵月で、肉眼でもクレーターが見えるほど上空は澄んでいるので望遠レンズに偏光フィルターをつけて撮影しました。空が暗く月面が真っ白に輝いて見えるようになり、ファインダーで見ているだけでも見とれてしまいます。


中之島界隈

国立国際美術館 2008.12.8  撮影:今駒清則

8日国立国際美術館で明日から開催される「アヴァンギャルド・チャイナ<中国当代美術> 二十年」展のプレビューに出席。中国の現代美術を見せるもので、私には非常に興味のある展覧会でした。中国の伝統的な美術は評価は高いのですが、現代美術はほとんど知られていません。それは文化大革命と天安門事件によって、中国伝統美術以外は政治的思想を表すものという幼稚な位置づけによって作家は迫害され、また萎縮し作品は破却されました。改革開放によってやっと現代美術の復活が「許され」、いまや中国は世界の現代美術の大きなマーケットになっていますが、それでも中国で活躍している作家たちの作品はなかなか見ることができませんでした。今回はいま活躍している多数の作家を招待しての巡回展で、少し前に国立新美術館で開催されて、この後4月には愛知県美術館で開催されます。また明日のオープンには講演会もありますので興味をお持ちの方はお出かけ下さい。なお同時開催に「新国誠一の《具体詩》 詩と美術のあいだに」があり、詩のタイポグラフィを展示しています。なおこれは毎月第1土曜日は観覧無料になります。

京阪新線・渡辺橋駅 2008.12.8  撮影:今駒清則

 その後中之島界隈を撮影と思ったのですが、今にも雨が降りそうな天候で写真撮影のコンディションは良くありません。それでも周辺を散歩、新しくできた京阪新線・渡辺橋駅や遊歩道、新しいビルなど撮影して帰宅。

月暈 2008.12.8  撮影:今駒清則

夜半、月の周りに虹が現われる月暈(つきがさ)が出ていて、明日のお天気はあまり良くなさそうです。中国では日暈が現われると明日は天候不良、月暈が出ると好天と言うそうですが、月に関しては日本と反対ですね。


砂の彫刻

制作中の砂の彫刻 2008.12.8  撮影:今駒清則

9日、昨日の中之島界隈を撮影中に、国立国際美術館北の旧阪大病院跡(江戸時代の広島藩蔵屋敷跡。10月29日の記事参照)の広場で砂の彫刻を制作中でした。これは「第6回 光のルネサンス'08」の一環で、鳥取市の「砂の美術館」からの出展とのことです。夜に照明される「サイレントナイト・サンドファンタジー」といわれるイベントで、他にも中之島一帯をイルミネーションで彩るさまざまなイベントが12月1日から25日にかけて催されます。

制作中の砂の彫刻 2008.12.8  撮影:今駒清則

 この「サイレントナイト・サンドファンタジー」は13日(土)から25日(木)の17時から22時に公開されます。詳しくは「週刊大阪日日新聞」のガイドをご覧下さい。なお御堂筋もイルミネーションされます。これは「実証実験」として橋下府知事推進のイベントのようで、報道によれば10億円から20億円の経費を見込んでいるそうですが、府の教育・芸術文化予算を大幅に削減しておいて、それはないだろう、というのが率直な感想です。


図録

「国立美術館所蔵による 20世紀の写真」展 図録

10日、行ってみたい写真展ですがどうも行けそうもないので図録を注文し今日入手しました。千葉市美術館で開催されている「国立美術館所蔵による 20世紀の写真」展です。内容は同美術館のホームページをご覧いただきたいのですが、図録内容は充実しています。作品集ではないので収録された作品が小さく掲載されているのもあるのですが、総覧できて教科書にも良さそうなものです。

 以前は美術館に電話をかけて図録を送っていただくようにお願いしたこともありましたが、最近は美術館、博物館などの図録がインターネットで簡単に注文できたりして楽になりました。もちろん出かけて作品を見るのが最良ですが、それができない時は図録で勉強するのも良い方法だと考えています。これは海外の美術館の方が早くからサービスを始めていますし、またそういう図録の専門店などもあります。急がなければ日本の古本屋で検索すればいながらに入手できます。便利になりました。


妙な雲たち

不思議なかたちの雲 2008.12.11  撮影:今駒清則

11日、朝、太陽が昇って暫くすると西の空に不思議なかたちの雲が現われました。雲はすぐに形が変わってしまうのですが、これは崩れることなく東へ流れていきました。

切れ切れの雲 2008.12.11  撮影:今駒清則

 さらにれからしばらくして、また同じところに切れ切れの雲。どうも両方とも飛行機雲が拡散したり流れてできたもののように思えます。

立ち昇る雲 2008.12.11  撮影:今駒清則

午後には東の空に立ち昇る雲が帯となっていました。今日は暖かい日でしたが、上空に時々冷たい大気が流れ込んでいるらしく、高層では気流がかなり乱れているのではないでしょうか。


カモメ

カモメ 2008.12.13  撮影:今駒清則

13日、朝の明るい日をあびて高層ビルの外壁スレスレにぐるぐると廻り続けるカモメたちがいました。鳥柱ではなくて、ただただビルの上層階を飛び廻るのです。20羽ほどの群れでしたが、それでも20分間ほど廻り続けたでしょうか、突然反転して海の方へ飛び去って行きました。朝のウオーミングアップ?それとも集団訓練だったのでしょうか。カモメは珍しい鳥でもなく群れるのも普通ですが、なぜビルをあれだけ根気よく廻り続けたのかわかりません。ただそれを感心して終始見続けていた私も呑気なものですね。


月の出

生駒山山上から昇る立待月 2008.12.14 18:39 撮影:今駒清則

14日、日曜日。昨夜の雨のお陰で朝から遠方がすっきりとした良いお天気です。仕事の締め切りが迫っているので集中してデジタルワーク。テストプリント代わりに近所の写真屋さんのフロンティア(カラープリンタ)でプリント。無補正でプリントしてもらっても少しクセのあるプリンタのようです。

 夕方、またまた生駒山の山頂から月が昇る日で、予想では送信鉄塔群の少し右(南)から昇るはずです。生駒山付近は雲一つ無く、クリアーなコンディションで夕方になりました。超望遠レンズをセットして月の出を待ちます。今夕の月は月の軌道上で地球に最も近い所を通っていますので、いつもより少し月が大きく見えるのです。

 18時38分に山の端が黄色い線になったかと思うとスルスルときれいな月が昇ってきます。送信鉄塔群のほんの右隣の高いアンテナの所衛星写真地図から昇ってきました。予想通りの位置です。立待月ですので右上がわずかに欠けていますが、その方がクレーターがはっきりして立体感があります。撮影は月が山上の塔を離れる18時41分までの3分間の勝負です。撮影後、PCでデータを見ると山上にある電線まで写っています。気温が低いので大気の揺らぎがほとんど無かったからでしょう。送信鉄塔群からは少し外れましたが、今までで最もシャープな写真になりました。


夢のはなし

16日、夢の中では仕事の大変良い段取りとか、アイデアをなどが出てくることがあるのですが、これはこれはまったく考えてもいなかった夢だったのです。

 どこかのコンサートホールのロビーに梵鐘をクレーンで吊るすところから始まります。私が製作した梵鐘で、それも大鐘と中鐘の二つです。二つの梵鐘を近接させ、金具で連結するするために慎重に作業をしています。本来は二つの梵鐘を一体で製作したかったのですが、それは無理なことなので連結することにしたのです。しかし少しでも連結に緩みやズレがあると音色に影響してきます。完成したら大鐘を撞木で撞くと中鐘まで鳴り、素晴らしい和音で響き渡るはずで、それはホールでの演奏の一部にもなる計画なのです。

 というところまでの夢でした。その後のできごとも、音色も、残念なことに夢にはありません。現実にどこかにこんな梵鐘があるのならぜひ聴きに行きたいものです。


低気圧の雲たち

低い雲 2008.12.17  撮影:今駒清則

17日、桜の紅葉もすっかり散ってしまいました。日本列島の南方をミニ台風の低気圧が通って空模様が怪しいのですが、それでいろいろな雲が次々に西から東へ流れていきます。

乳房雲 2008.12.17  撮影:今駒清則

 なかなか見られない、雲の底が垂れ下がっている乳房雲の一群も頭上を通りすぎて行きました。明日から寒くなるそうです。


冬至前日

夕陽雲 2008.12.20  撮影:今駒清則

20日、暖かで穏やかな日でした。幾つかの締め切り仕事に追われていてなかなかここに記事が書けません。という時は毎日撮影している空の写真になります。

冬至前日の日の入 2008.12.20  撮影:今駒清則

 明日が冬至で昼が最も短いといわれていますが実際は少しずれています。前にも書きましたが、今年の日の出が最も遅いのは1月7日で、日の入が最も早いのは12月5日前後です。ですが太陽の南中高度は今が最も低く、夏至の半分以下です。日中でも視界に太陽が入って眩しい頃で、WRC(世界ラリー選手権)のドライバーたちは緯度の高い北欧で走るときはウインドウから射し込む横からの陽射しに苦労する、と聞いていますし、この季節に日本より緯度が高いカナディアンロッキーでスキーをしてもいつも傾きかけた太陽が目に射してきます。その代わりいつも斜光線ですから風景は立体感が強調されて美しく見える頃でもあります。そして日の入の方角は今が最も南寄りになり、これから少しずつ北に移動して行きます。

 冬至には柚子湯に入り、粥や南瓜を食べれば風をひかないと言い、中国ではこの日から昼が長くなるのを祝って小豆粥や餃子を食べる地方があり、古には旧暦の起点にしていたほど大切な日なのです。


師走の烏丸通り

高校駅伝の先頭集団 2008.12.21 13:03  撮影:今駒清則

21日、日曜日。今年最後の舞台撮影です。京都の金剛能楽堂へ。能楽堂の前の烏丸通り衛星写真地図は全国高校駅伝の応援などの人々で賑わっています。男子選手がこの前の2区を走るのが13時ごろとのこと、能楽公演開始は13時30分、多少時間があるので小雨の中を待っていると選手たちが駆け抜けて行きました。写真は右から先頭集団のランナーたち、TV中継バイクカメラ、白バイです。TV中継バイクカメラのドライバーはハンドルの所に付けたモニターを見ながら運転しているようでのぞき込んでいます。背景は京都御苑(御所)。結果は男子は佐久長聖高校(長野)、女子は豊川高校(愛知)が何れも初優勝しました(毎日新聞)。

 能は「景清」金剛永謹、「不腹立」茂山忠三郎、茂山良暢、「葵上」金剛龍謹。金剛定期能の本年最終公演でいずれも父子の競演。こうやって芸が伝承されていきます。


「神戸の壁」 アーカイブ

「神戸の壁」(淡路市志筑) 2004.07.19  撮影:今駒清則

22日、14回目の阪神大震災記念日が近づいてきました。これから少しずつ関連ニュースは増えてくるでしょうが、10年目を節目にめっきりと阪神大震災関連のニュース量は減ったように思えます。

 12月20日の産経新聞「阪神大震災で倒壊せず、その後、震災の“生き証人”として神戸市長田区から兵庫県淡路市に移されていた「神戸の壁」が、震災を後世に伝える北淡震災記念公園(淡路市小倉)に再移設された。」と伝えています。この「神戸の壁」と名付けられた鉄筋コンクリートの壁は、神戸市長田区若松町3丁目衛星写真地図にかってあった若松公設市場の延焼防火壁として1927(昭和2)年に建てられ、神戸大空襲を経てあの阪神大震災の焼け跡に残っていました。私は現地には行っていないので「神戸の壁」は報道でしか知らないのですが、その後の行方は気になっていましたので2004年に移築先の淡路島・津名町(現・淡路市)に行ってきました。写真はその時のものです。この度の2度目の移築の報道を見てこの壁の経過をいろいろと確かめてみました。従って以下はすべて「神戸新聞」の記事によるもので、詳細はリンク先の記事をお読み下さい。

 被災地の中でも火災がひどかった長田では痛ましい被害が沢山あり、この壁の所有者であった老夫婦も生命を失いました(神戸新聞「遺族が語る」)。被災地に焼け残っていた壁に重要な意味を見いだした美術作家の三原泰治氏はさっそく保存運動を始めました。震災後の混乱の中で苦労を重ね、所有者の理解の元に、津名町が引取って志筑新島の「しづかホール」広場衛星写真地図)へタイムカプセルと共に保存されることになりました(神戸新聞「『神戸の壁』保存運動 三原泰治」)。「神戸の壁」はその後クリスマスには鎮魂のイルミネーションなどを行っていましたが、このほど震災記念公園基金により野島断層を保存する野島断層保存館衛星写真地図へ移築されることになったものです。なお三原氏はこの移築の状況も映像で記録をされているとのことです(神戸新聞「『神戸の壁』再移設工事を記録」)。

 直後にはたいした価値が無いと思われたものでも、10年、100年と時を経ると重要な価値を持っていたことが分かってくることがあります。それを早期に判断して残し、保存(アーカイブ)の手だてをすることの重要性を示した素晴らしい仕事だと思います。


クリスマスイヴですが

夜景 2008.12.24  撮影:今駒清則

24日、締め切り日が過ぎてしまった仕事をまだしています。写真だけイヴの感じを。ただ普通の街を強力ソフトフォーカスレンズで撮影しただけなのですが。


ギャラリー巡り

大阪府新別館地下通路の写真展 2008.12.25  撮影:今駒清則

25日、今日が最終日の大阪府立現代美術センターの「大阪が生んだ天才写真家 安井仲治の眼」と「大阪府所蔵作品展 20世紀大阪の風景・美術・文化展」。戦前戦後の大阪風景や風俗の作品。安井仲治は新興写真のパイオニア。楽しみにしていた展覧会でした。それと文化情報センターや大阪府新別館地下の地下鉄連絡通路展示コーナーに展示されている岩宮武二、高田誠三、川上緑桜らの作品を見て奈良へ、水門会の水門会写真展打合せに出席。会員の多くは出展作品が大体決まっていました。私のはまだ選択中と試行錯誤段階。

奈良博の夕空 2008.12.25  撮影:今駒清則

 打合せ後に奈良国立博物館の「おん祭と春日信仰の美術」へ。毎年この時期に開催されていますが、内容は少しづつ違っています。タイトル通り古芸能より古美術が中心。地味な出陳ばかりですがそれだけにありがたい内容です。閉館アナウンスで追いだされて外に出て空を見ると1894年(明治27)年竣工の奈良博・本館の向こうに怪しい雲が。めっきり寒くなってきました。


今日もギャラリー巡り

京阪・ハイデッキカーの車窓から(携帯電話で撮影) 2008.12.26  撮影:今駒清則

26日、朝から京都市美術館の「日展」と、京都大学総合博物館の「シルクロード発掘70年 雲崗石窟とガンダーラまで」に行く予定でしたが、朝に所用ができてしまったので明日に終了する京都大学総合博物館だけにして出かけました。どこへでも自動車で行っていたのですが、最近はできるだけ電車を使うようにしています。電車の時は読書ができるのでとてもありがたいのですが、つい熱中して乗り過ごすことが多いので、下車駅の一つ二つ手前の駅までには読書を止めるようにしています。

 電車内には筒状のカレンダーを持った人が多く歳末らしい風景です。京都大学総合博物館は百万遍衛星写真地図にありますから京阪電鉄の出町柳駅下車です。終着駅なので乗り過ごしは無く安心して読書ができるはずだったのですが、乗りあわせた特急が二階建てのハイデッキカーだったものですから珍しくて下のシートに座りました。目の高さはプラットホームの床から40cmほどのところになって「犬の視点」です。走り出すと丁度自動車で運転しているようなシートポジションで心地良いものでした。おかげで読書はしないで外ばかり眺めていて出町柳駅に到着。百万遍まで木枯らしの中を歩きます。

京都大学総合博物館 2008.12.26  撮影:今駒清則

 京都大学総合博物館に入り、早速目的の「シルクロード発掘70年 雲崗石窟とガンダーラまで」を見ました。雲崗石窟については戦前に京都大学が調査し詳細な報告がされているので、展示ではどのような招来品があるのか興味深かったのですが、発掘品の断片が多く、それはそれも興味深いのですが、展示ブロックごとに子ども向けのようなごく簡単なタイトルと説明のプレートがあるだけで、個々の年代も材質も工法・技法も表記が無く、並べただけというような実に不親切な展示状況でした。せめて簡略でも良いので発掘の調査報告や、展示品個々の説明は欲しかったと思います。図録でも雲崗石窟についてはごく簡略な調査状況だけのことで、どうも展覧会タイトルは羊頭狗肉といわざるをえません。戦前の偉大な業績をどう理解しているのでしょうか。どうもこうこう、こういう探検や調査をしています、というPRをしたかっただけの展覧のようで大変に残念でした。

 他に自然史系、技術史などの展示もあり、「ランビルの森の自然」「芦生の森の花と昆虫」などでは独自の調査活動の一部がわかるようになっていて面白いのですが、これも全般に説明不足でした。

初雪の比叡山 2008.12.26  撮影:今駒清則

それでもゆっくり3時間ほどかけ見終わって「進々堂」で休憩。外に出ると比叡山や北山、西山が初雪で白くなり夕焼けに赤く映えています。光福寺の大屋根越しに見える比叡山を撮影し、下鴨の賀茂大橋まで出てまた比叡山を撮影しているうちに日没となりました。カメラを持つ指先が痛くなるほどの冷たさで、これからバッグには手袋を入れておいたほうがよさそうです。


寒さが続きます

金剛山も雪景色 2008.12.27  撮影:今駒清則

27日、昨日は京都にいたので大阪の様子はわからなかったのですが、京都と同じく大阪も小雪が舞ったようです。遠い上に朝は逆光で良く見えない金剛山衛星写真地図も、午後になると雲の切れ間から射す光で白くなっているのが見えました。産経ニュースによれば今年の金剛山の初冠雪は11月19日だったそうですが、記録では最も早い初冠雪が2002年の11月5日ということですからまず平年並ということでしょう。いよいよ今年もあとわずかになってきました。


レンズ発掘

光のリング 2008.12.28  撮影:今駒清則

28日、日曜日。思いついて100本近くある手持ちのレンズを取り出して虫干しました。古いレンズはもうかなりの間しまい込んだままですので、持っていたのを忘れていたものもあり発掘調査している感じです。35ミリ用ではライカ、ペンタックス、オリンパスOM、キヤノン、ニコンが主なボデーで、各メーカーのレンズがそれぞれ揃っていて、例えば舞台撮影に使っている80(70)ー200mm F2.8のレンズでは新旧各種で6本もありました。しかしほとんどのレンズはフィルムカメラ用なので現在のデジタルカメラには向いていません。ですが中には何か使えるものもあるかもしれませんので、そのうち全テストをしてみます。

 オリンパスOMレンズはレンズマウントアダプターを介してキヤノンのEOSデジタルカメラに装着できますし、必要ならニコンのレンズもキヤノンに着けられます。ただし自動絞りは使えず手動絞りになります。

 手始めに珍レンズの「REFLEX MAKINON MC 300mm F5.6」を取り出しました。コンパクトなミラー(反射)レンズです。主ミラーが少し曇っていたので前玉を外してミラーをクリーニング。再び取り付けて試写。かなりシャープなのですがミラーレンズ特有のフレアで解像は甘く見えます。ただ画像処理段階でアンシャープマスクをかけると画像の芯が出てくるので使えます。それにデジタルカメラで困っているレンズの色にじみ(主に倍率色収差)がほとんどなく、とてもクリアな色再現をしています。万能ではありませんが何かに使えそうな様子です。写真はこのレンズでの夜景撮影。24日のソフトフォーカス写真と同じ所を写し、わざと焦点を外して撮影しましたので街の灯がミラーレンズ特有のリング状に写っています。


大晦日の月

金星と月 2008.12.31  撮影:今駒清則

31日、いよいよ大晦日になりました。日中は地表がかすんでいましたが上空は澄んでいます。それで夜になって南西の空に金星と月が並んでいるのがクリアに見えました。おかげで月が地球照で丸く見えます。

 来年は「世界天文年2009」です。ガリレオ・ガリレイが1609年に望遠鏡で空を観測してから400年になるのを記念して国連、ユネスコ、国際天文学連合が定めました。その最初の天文イベントは1月4日前後に見られる「しぶんぎ座流星群」です。比較的簡単に見られる流星群とのことです。詳しいことは国立天文台のホームページでご覧下さい。

 一年の終わりにあたり、どうでもよい私のサイトへ訪れていただきましたことにお礼を申しあげます。みなさまが良いお年を迎えられることをお祈りいたします。

11月 08年12月 09年1月