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東大寺二月堂 修二会 行法

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3月8日修二会  今駒清則


「お水取り」 授戒の平衆 「よく保つ、よく保つ」と誓う  撮影:今駒清則

3月8日、今日からは下七日の法要になります。修二会の始めの練行衆は緊張の連続で、ここ数日に至っては体力的にも疲れてきた時ですが、折り返しを迎えて再び意欲的に勤めます。

 午前中は上七日の満行を祝って娑婆の古練が参籠宿所に訪れます。食堂の南側付近では12日の籠松明が童子によって組み立てられています。常の上堂松明よりも大きく重く、また一番外側に杉板で化粧をしますので華やかな松明になります。

 お昼の食堂では下七日の授戒が最初に行われます。これはかって上七日と下七日では練行衆が交代していたことから、下七日を籠る練行衆に授戒するためのものでしたが、現在では十四日を通して参籠しますので、食堂での定まった席を下七日では一部変えるのみで授戒をもう一度行います。
 授戒の内容は1日と同じですが、1日は深夜で暗闇の中での神秘的な儀式でしたが、今日は昼に行われますので明るい堂内で執り行われます。

 授戒の後、食作法、そして日中法要に上堂します。内陣での日中法要の後、須弥壇に積まれていた上七日の壇供を降ろして掃除し、日没法要を勤めます。
 このあたりから「引き上げ」といってお勤めの内容が簡略になってきます。その後例時作法を勤め、下七日用の壇供を積みますが、小観音さまが須弥壇正面に出られたので壇供が上七日とは変えて積まれます。これが終わると自席で牛玉、陀羅尼札の試し刷りして下堂します。

「お水取り」 大導師の祈りの間も他の練行衆は牛玉刷りをします  撮影:今駒清則

 夕刻、松明上堂、初夜法要と常のように進行しますが、本日から10日まで勤行の間に護符の牛玉札や陀羅尼札を、木版で刷ったり押捺して手刷りします。墨汁は牛黄を含んだ牛玉墨と香水です。
 内陣の自席の背上に掛けていた牛玉箱を降ろし、刷り上げてまた牛玉箱に納め満行まで祈願されます。お札は満行後に皇室に献上し、また有縁に配します。上の写真で祈願している大導師
(右端)の上には牛玉箱が掛けられていますが、牛玉刷りをしている諸衆のは降ろされてありません。

「お水取り」 牛玉札をつくる  撮影:今駒清則

 牛玉札には「南無頂上佛面除疫病/二月堂 朱印(十一面観音種字)/南無最上佛願満足」と書かれています。古からの願いがこもっているのです。この牛玉刷りは後夜法要の間も続けられます。すべてが内陣で行われますので東の局から僅かですが拝観できます。


修二会を詳細に記録した今駒清則写真集『南無観』についてはここをご覧下さい。


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