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東大寺二月堂 修二会 行法

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3月3日修二会  今駒清則


「お水取り」 大導師(左)と時導師(右)  撮影:今駒清則

 3月3日の松明上堂後の初夜法要では、時導師を新入(しんにゅう)が勤めます。これを称揚(しょうよう)という重々しく根本に忠実な声明や作法で勤めます。礼堂には娑婆の古練(シャバコ)が出仕してこれを聴聞します。新入にとっては一世一代の大仕事です。緊張します。これを乗り越えないと一人前にはなりません。
 時導師とは一日に6回勤める法要(六時)の声明のリーダーで、四職は勤めず平衆が交代で勤めます。平衆の下役ほど勤める回数は多いのですが、特別行事がある日の時導師は平衆の上役が勤めるようです。

 修二会での練行衆のそれぞれの役回りは、単に仕事の分担といったことだけではなく、少しずつ学習をし経験を積むことで昇進していきます。単純に説明できませんが実に巧妙な教育システムにもなっているのです。また毎日、毎時(六時の時のこと)に声明や作法が変化しますので常にテストをされているようなものですから、まったく気が抜けないようになっています。さらに後夜の法要も称揚になり新入が時導師を勤めます。この時も礼堂ではシャバコが聴聞に出ます。

 2008年は珍しく塔頭(たっちゅう、境内の子院)の子弟が二人も同時に新入になりました。そこでこの称揚で次の4日も勤めることになります。初夜、後夜声明の数々を本ブシで聴聞されたい方には絶好の機会です。さほど寒くもありませんのでどうぞお出かけ下さい。二月堂の局(つぼね、外廻りの部屋)は修二会の時はどなたでも自由に出入りができます。


修二会を詳細に記録した今駒清則写真集『南無観』についてはここをご覧下さい。


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