「お水取り」 紙衣を絞る 撮影:今駒清則
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22日の別火坊では特別な行事が無いので練行衆は各自の持ち物につける紋を描いたり、お札の準備や書き物、などさまざまな準備をします。なかでも行中に着す紙衣(かみこ)を絞る作業は力のいる仕事です。竹筒に仙花紙を巻き一周り太い竹筒で押し付けて絞って皺をつけます。そして紙を伸ばして寒天を塗り乾し上げておきます。一着の紙衣には30枚程度の仙花紙が必要で、綿布と共に仕立てて次回の参籠に使用します
「お水取り」 差懸の手入れをする童子さん 撮影:今駒清則
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二月堂の内陣で履くのはこの差懸(さしかけ)と呼んでいる木沓です。芭蕉の句「水取りや氷の僧の沓の音」はこの差懸が鳴らす響きをよんだものです。木製の台に畳表を貼り帽子というカバーをかけます。
入堂の時や行道(ぎょうどう)などにリズミカルな足拍子をとったりすると、堂の外にまで沓音が響き渡って、ああ、お勤めをされておられるなあ、とわかります。最近では紙衣作りや差懸の修理などの力仕事は練行衆でなく童子がしていることが多いようです。(なお、別火坊内部は一般の方の参観はできません)
修二会を詳細に記録した今駒清則写真集『南無観』についてはここをご覧下さい。
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